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要介護3以上の認定を受けた高齢者が生活する特別養護老人ホームですが、スタッフが注意していても事故が発生してしまうケースがあります。
特別養護老人ホームならではの事故とは何なのでしょうか。
■特別養護老人ホームで特に多い事故は転倒
特別養護老人ホームでは歩行困難な入居者が多いため、転倒や転落事故の発生率はとても高いです。
その要因は、主に4つに分類することができます。
・人的な要因
転倒事故でも特にベッドと車椅子に移動する時が多いと言われています。
移動する際にバランスを崩してしまい、お尻から転倒してしまったり、車椅子のブレーキが悪く車椅子ごと転倒してしまったりするケースなどが多いです。
さらに、時には介護者がバランスを崩してしまい、転倒させてしまうケースもあります。
この事故を防ぐためには、2人体制で介助が必要な入居者に対して、1人で介助をしている場合や、車椅子の動作確認を怠っていることがあるので、入居前に介助体制をしっかり確認しておくことが大切です。
・心理的な要因
入居したばかりだと環境の変化に戸惑いそわそわし、行動した時に転倒してしまうことがあります。
また、認知症だと落ち着きがなく、室内や老人ホーム内を移動していて転倒する危険性があります。
・環境的な要因
ベッドと車椅子の距離が離れていたり、老人ホーム全体のフロア動線がスムーズでなかったりすると転倒事故が起きやすいです。
また、トイレや居室でも移動する動線上に障害物があると、つまずいたり避けたりする際に転倒リスクがあります。
・身体拘束による転倒
転倒や転落事故を防ぐために身体拘束を施すことがあります。
しかし、自らの意思で動きたいと思う入居者が拘束された状態で立ちあがろうとすると、車椅子などと一緒に転倒してしまうことがあるのです。
■特別養護老人ホームでは入浴介助でも事故が起きやすい
特別養護老人ホームでは、週1~2回ほど入浴介助が行われます。
ここでも事故が発生してしまうケースがあるのです。
心肺の慢性疾患や高血圧症の入居者の場合、湯加減や入浴時間が適切でないと肺炎を発症する恐れがあります。
ですから、特別養護老人ホームの浴室に温度計が設置してあるか、高温の湯加減ではないか、長湯はしていないか、室温が低下しないように暖房機能があるかなど、浴室の設備が充実しているかを確認する必要があるでしょう。
また、浴室でも床が滑ったり、シャワーチェアから転倒してしまったりするケースも事故では多いです。
スタッフの警戒心も重要ですが、水はけがよく滑りにくい床である、手すりなど補助が完備されているかも、老人ホームを見学する際に確認したいポイントと言えます。